国交相が辺野古設計変更の承認を知事に勧告 強制手続き「代執行」も視野に 


国交相が辺野古設計変更の承認を知事に勧告 強制手続き「代執行」も視野に  新基地建設現場の名護市辺野古の海域。写真右側の海域は軟弱地盤の存在が明らかになっている大浦湾=2023年8月19日撮影
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古新基地建設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相が19日、沖縄防衛局による軟弱地盤改良工事の設計変更申請を承認するよう玉城デニー知事に勧告する行政文書を県に発送したことが国交省への取材で分かった。県に代わって斉藤国交相が強制的に手続きを行う「代執行」を前提とした勧告で、玉城知事が承認に応じない場合、さらなる「指示」を経て県の代わりに承認処分をする代執行訴訟を高裁に提起する見込みだ。

 国交省担当者によると、行政文書の発送は19日付け。20日にも県に届く予定で、文書が到着したことが確認され次第、勧告の内容を公表するとしている。

 辺野古新基地建設に伴う「是正の指示」を巡る訴訟に関する4日の最高裁判所の判決で、県の敗訴が確定したことを受け、県には防衛局の設計変更申請を承認する法的義務が生じていた。

 斉藤国交相は、玉城知事が判決から2週間が経た19日までに承認に応じなかったことから、玉城知事に代わって強制的に手続きを進められる代執行を見越した勧告に踏み切った。

 一定期間が経過しても玉城知事が勧告に応じなかった場合には、さらに承認を求める「指示」を出し、その後、代執行訴訟を高裁に提起するものとみられる。

 斉藤氏は勧告に先立つ19日午前の会見で、代執行を見越した手続きについて「コメントを差し控えさせて頂きたい」と述べるにとどめていた。(安里洋輔)