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試合終了間際、執念の同点弾 琉球、諦めず怒濤の攻撃 サッカーJ3


試合終了間際、執念の同点弾 琉球、諦めず怒濤の攻撃 サッカーJ3
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 三太

 サッカーの明治安田J3第29節第1日の30日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでAC長野パルセイロと対戦し2―2で引き分けた。通算成績は9勝15敗5分けの勝ち点32。順位は18位。前半は互いにゴール前まで迫り、得点チャンスをつくったが0―0で折り返した。後半は24分に先制点を奪われたが、8分後に福村貴幸が同点ゴールを決めた。36分に再び引き離されたが、終了間際に柳貴博の得点で同点に追いつき、痛み分けのドローとなった。次戦は10月7日午後1時半から、同スタジアムでカマタマーレ讃岐と対戦する。

(2)タピスタ(琉球1勝1分け)
琉球9勝5分け15敗(32)
 2―2(0―0,2―2)
長野 10勝7分け12敗(37)
▽得点者 【琉】 福村(1)柳(3)【野】 音泉(1)三田(7)
▽観客 1994人

 【評】琉球は選手一人一人の勝利への執念がゴールをこじ開けた。前半から激しい球際の争いやプレスの掛け合いで互角で折り返した。後半は、先手を取られたが、すぐに追いついた。再び引き離されたが、終了間際まで攻撃の手を緩めず、ゴールへと向かう姿勢で同点に追いついた。


琉球―長野 後半、ディフェンスをかわし、中央にクロスを入れる琉球の柳貴博(左)=30日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(小川昌宏撮影)

 試合終了間際、柳貴博の執念のゴールで引き分けた。柳は「(1―2の場面でも)サポーターの声援が聞こえて、誰も諦めていないという気持ちが伝わった。選手も誰一人諦めていなかった」とうなずく。チームが終盤に仕掛けた怒濤(どとう)の攻撃で、金崎夢生のスライディングヘッドをGKがはじいたところを押し込んだ。

 チームは前半から高い位置でのプレスを徹底。1人がかわされても、2人目、3人目がすぐさまボールを追い掛け、ボール奪取につなげた。前線のケルヴィンがポストプレーでためをつくり、清武功暉、阿部拓馬を起点にしながら攻めた。

 後半投入の金崎のパス精度が光った。その一つが、0―1から左サイドでフリーだった福村貴幸への視野の広いパス。福村は「ぽつんとフリーになっていて、パスが来ると思っていた」とワンタッチでゴールへ向かい、GKがニア気味に立っているのを確認して、しっかりネットを揺らした。

 プレスの速さと運動量の多さが、紙一重の勝負で局面を動かした。

 勝ち点30~40の間に10チーム以上がひしめき合う状況で、正念場が続く。柳は「点やアシストで結果につなげたい」と残留争いに向け、気を引き締め直した。

 (大城三太)


力を出し切った

 金鍾成監督(琉球)の話 合流して2週間がたつが、戦術的な話はしていない。選手たちが何かを変えたいと思っているのを感じることができ、どう表現するかを考えてトレーニングしてきた。引き分けだったが、力を出し切って最後まで戦い抜けた。

琉球、良い選手多い

 髙木理己監督(長野)の話 琉球は質の高い選手が多く、いかに相手を敵陣に押し込めておくかが大事だったが、やりきれなかった。揺さぶりから先制点と勝ち越しゴールが生まれた。3人で攻めてDF一人に簡単にボールを失った場面は悔やまれる。