国重文に琉球国之図・間切図 高い測量技術示す


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国の重要文化財となる琉球国之図。沖縄島を中央に配し、東に伊計島、久高島、北に伊平屋島、西に久米島までが描かれている(県立図書館所蔵、県教育委員会提供)

 国の文化審議会が11日、琉球王府が18世紀中ごろに作成した琉球国之図(県立図書館所蔵)と間切図(県立博物館・美術館所蔵)を国の重要文化財に指定するよう、馳浩文部科学相に答申したことを受け、県内の識者は「琉球王国の測量技術が高いレベルにあったということだ。県民は誇りに思っていい」などと語った。

首里・那覇・小禄・真和志・豊見城・南風原間切図(県立博物館・美術館所蔵、県教育委員会提供)

 間切図が所蔵されている県立博物館・美術館の安里進館長は「琉球王国が世界最先端の測量技術で作成した測量図だ。三角点に当たる印部石(しるびいし)を大量に設置し、正確に測量している。日本が明治時代に入ってから始めた技術だ」と技術の高さがうかがえる資料だと説明した。琉球大学名誉教授の高良倉吉氏(歴史学)は「王国内を管理するために国土の情報などを持っていることは重要で、琉球が統治する技術を伝統的に蓄積していた王国だったということを示している」と語った。
 琉球国之図を閲覧した金城美智江さん(63)=与那原町=は「沖縄戦で多くの文化財を失った中、重要文化財に指定されるのはいいことだ」と話した。
 「琉球国之図」「間切図」は現在、文化庁で調査・保管されている。間切図の内訳は次の通り。
▽国頭間切西部図
▽北谷・越来・美里・読谷山間切図
▽西原・浦添・宜野湾・中城間切図
▽首里・那覇・小禄・真和志・豊見城・南風原間切図
▽知念・大里・玉城・佐敷間切図
▽具志頭・東風平・真壁・喜屋武・兼城・摩文仁・高嶺間切図
▽伊平屋島図