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「使って、育てる」サンゴ増殖のクラウドファンディング、目標上回る 沖坤が国頭漁協へ収益を贈呈


「使って、育てる」サンゴ増殖のクラウドファンディング、目標上回る 沖坤が国頭漁協へ収益を贈呈 サンゴ造礁に向けたクラウドファンディングの一環で、養殖スティック基盤を使って設置されたサンゴ=23日、国頭村内(提供)
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 【国頭】コンクリート製造・販売の沖坤(名護市、宮城勝社長)がサンゴの増殖に向けたプロジェクトの一環として実施したクラウドファンディングが好調に終了した。県内外から目標を上回る金額が集まり、23日に国頭漁業協同組合へ贈呈された。同社は今後も風化造礁サンゴを活用した製品づくりや、保全・増殖への取り組みを通じて、サンゴを「使って、育てる」サイクルを確立したい考えだ。

サンゴ増殖に向けたクラウドファンディングの収益金を国頭漁協の村田佳久組合長(左)に手渡す沖坤の宮城勝社長=23日、国頭漁協

 コンクリート製造のほか、死滅した「風化造礁サンゴ」を原料とした建材、泡盛蒸留かすを使ったサンゴ養殖用基盤材を製造していることから「豊かな海を未来に残すサンゴ増殖プロジェクト」としてクラウドファンディングを企画。6月~7月にかけて支援を募った。同社によると、県内外、国外の170人から、目標の100万円を上回る計121万3600円の支援金が集まった。

 サンゴを養殖スティック基盤で植え付ける「1本の植え付け支援」や12人までの団体で、養殖するサンゴ基盤にサンゴの苗を付ける作業の体験などの支援者向けのメニューがあったこともあり、多く集まった。風化造礁サンゴを肥料に使った「サンゴのマンゴー」やオリジナルTシャツ、国頭漁協からグルクマの加工品などの返礼品も人気で、支援者へと発送された。

 「1本の植え付け」支援で植え付けられたサンゴは8月に国頭村の沖合で設置された。贈呈式で、宮城社長は「多くの人が環境への危機感を共通に持っていると感じることができた」と話した。国頭漁協の村田佳久組合長は「サンゴ漁場の保全や増殖に関わる費用として活用したい」と感謝した。

(池田哲平)