琉球大学は15日、医学の研究や教育に欠かせない献体に協力した故人の冥福を祈る医学部解剖体慰霊祭を、西原町の同大医学部体育館で執り行った。今年は、2022年11月から23年10月にかけて解剖実習が実行された正常解剖42人、病理解剖5人、事件などの疑いがある法医解剖402人の計449人のみ霊をしのんだ。遺族や大学職員、学生ら約400人が参列し、献花した。
献体登録の窓口となっている琉球大学でいご会の屋宜栄勝会長は「最後の奉仕として、わが身を提供した気持ちへの追悼とともに安らかな冥福を祈る」とあいさつした。医学科1年の國吉祐一郎さんは「解剖実習は人体の構造を学ぶかけがえのない授業だ。故人の崇高な意思に触れることができる。期待に応えるべく精進したい」と誓った。
今年に入って献体が実行された「成願者(じょうがんしゃ)」の遺族らは祭壇に記載された故人の名前を探し、撮影していた。
同大によると、正常解剖による献体数は1981年から今年10月末時点にかけて計1275人となる。 (嘉陽拓也)