有料

美ノ海、土俵際で執念のすくい投げ 県勢24年ぶり勝ち越し 気迫前面、鋭い相撲 大相撲九州場所


美ノ海、土俵際で執念のすくい投げ 県勢24年ぶり勝ち越し 気迫前面、鋭い相撲 大相撲九州場所 美ノ海(左)がすくい投げで佐田の海を破る=福岡国際センター
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 大相撲九州場所13日目は24日、福岡国際センターで行われ、大関霧島は関脇大栄翔をはたき込み、11勝2敗で首位を堅持。平幕熱海富士も高安を押し出し、2敗でトップを守った。3敗が消え、優勝争いは2人に絞られた。霧島と熱海富士は14日目の結びの一番で対戦する。関脇琴ノ若は竜電に寄り切られ、4敗に後退した。大栄翔は5敗目。前頭美ノ海は佐田の海をすくい投げで破り、勝ち越しを決めた。大関対決は貴景勝が豊昇龍を突き落として9勝4敗。豊昇龍は5敗目を喫した。関脇若元春は朝乃山に敗れて9敗目。十両は琴勝峰と大の里が10勝3敗で首位をキープ。

 勝敗時にほとんど表情を変えない美ノ海が佐田の海に土をつけた瞬間、両手でガッツポーズした。「自分の相撲ではなかったが、前に出るのを意識して最後まで諦めないで取れたのがよかった」。県出身力士として24年ぶりに幕内で勝ち越しを決めた。

 立ち合いで美ノ海は得意の前みつを取れず、一気に押し込まれた。だが、土俵際で粘ってすくい投げて白星をつかんだ。

 新入幕ながら9日目で7勝2敗と快進撃を続けたが、そこから元大関御嶽海など優勝争いをする力士との取組になり、3日連続で勝ち越しはお預けとなった。「自分の甘さが少しあると思った」とこの日は気持ちを切り替えて臨んだ。

 重量差のある相手に連敗を喫したが、「やってることは変わらない」とこの日も真っ正面から鋭い相撲を取った。来年1月の初場所も幕内力士として土俵入りする。

 (古川峻)