防衛相、オスプレイ「飛行停止」の表現避ける 在日米軍司令官と面談 沖縄県内での飛行には「情報提供」求めるのみ


防衛相、オスプレイ「飛行停止」の表現避ける 在日米軍司令官と面談 沖縄県内での飛行には「情報提供」求めるのみ オスプレイ墜落について報道陣の取材に答える木原稔防衛相=30日、防衛省
この記事を書いた人 琉球新報社

 鹿児島県屋久島沖での米空軍CV22オスプレイの墜落事故を受け、木原稔防衛相は30日、防衛省にラップ在日米軍司令官を呼び「捜索救助活動を行う機体を除き、飛行に係る安全が確認されてから飛行を行うよう」要請した。面談後に取材陣に応じた木原氏は「飛行停止」という表現は使わなかったことを明らかにした上で、30日も沖縄県内の米軍基地で海兵隊のMV22オスプレイが離着陸を繰り返したことについては「情報提供をお願いした」との対応にとどめた。

 30日の墜落現場での捜索救難活動でオスプレイの参加は確認されておらず、普天間飛行場や嘉手納基地で確認されたオスプレイの運用は捜索活動以外の目的だったとみられる。沖縄県や宜野湾市は原因究明までオスプレイの飛行を停止するよう要請している。

 2016年に名護市安部の沿岸部にMV22オスプレイが墜落した際、日本政府は安全が確認されるまでの「飛行停止」の文言を用いて飛行の「自粛」を要請し、米軍も飛行を一時的に止めた。今回の要請で「飛行停止」と表現しなかった理由を記者から問われた木原氏は、「捜索救助活動や人命救助というのが第一なので、そういった機体を除いて飛行の安全が確認されてから飛行するように要請した」と述べるにとどめた。

 防衛省は30日午前8時にも同様の内容を文書で要請していた。防衛省によると、事故直後から、防衛省が安全確認を申し入れた午前8時までに普天間飛行場でMV22オスプレイの離着陸が14回あった。最初の申し入れから午後3時半までで普天間飛行場で18回、嘉手納基地で2回の離着陸が確認されている。