日本側の自粛要請に米軍応じず 政府、3度目の申し入れへ オスプレイが飛行継続 松野官房長官「情報には接している」


日本側の自粛要請に米軍応じず 政府、3度目の申し入れへ オスプレイが飛行継続 松野官房長官「情報には接している」 米軍普天間飛行場の周辺市街地上空を飛び着陸へと向かうオスプレイ=30日午後0時42分、宜野湾市
この記事を書いた人 Avatar photo 與那嶺 松一郎

 【東京】鹿児島県屋久島沖での米空軍CV22オスプレイの墜落事故を受けて、日本政府が「安全が確認されてからの飛行再開」を要請して以降も、米軍がオスプレイの飛行を続けていることについて、松野博一官房長官は30日午後4時からの会見で、「米側と緊密に連携して安全の確保に努めてまいりたい」と述べるにとどめた。防衛省、外相からの要請に加えて木原稔防衛相が追加で申し入れするとし、政府から米側への要請が計3回に上ることを明らかにした。

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 防衛省は同日午前の参院外交防衛委員会で、同日午前8時すぎに安全が確認されてからの飛行再開を要請したことを明らかにした。同午後2時には上川陽子外相がエマニュエル駐日米大使に同様の要請を行った。

 一方、宜野湾市の米軍普天間飛行場では、政府から米側に最初の要請があった午前8時以降も、米海兵隊MV22オスプレイの飛行が確認されており、記者団が「政府の要請が無視されているのではないか」として松野氏に見解を求めた。

 松野氏は「今般の米軍オスプレイの事故発生後も、米軍オスプレイが飛行を行っているとの情報には接している」と説明。その上で、会見までに実施された防衛省と上川外相による要請に加え、木原防衛相からラップ在日米軍司令官に対しても「要請を行う予定であると承知している」と強調した。

 記者団からは、オスプレイの飛行に関する要請が29日の事故発生から17時間以上経過してから行われたことについても「対応に問題はなかったか」と問われた。松野氏は「事故の状況に関する事実関係の確認を求めつつ、人命の救出に全力を尽くすことを最優先に対応した」と説明。「このような必要な対応を行った上で、今朝、オスプレイの安全性に対する懸念が高まっていることも踏まえ、防衛省から在日米軍に対して要請を行った」とした。

 米軍オスプレイの運用状況についても問われたが、「詳細に関しては、防衛省、外務省にお尋ねをいただきたい」とだけ述べた。