【アメリカ】「ルーツ探し続ける」 県系4世 ローラ・喜納さん


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講演するローラ・喜納デ・ポール大学教授=2月28日、北米沖縄県人会会館

 デ・ポール大学(シカゴ市)で美術が専門のローラ・喜納教授(42)=県系4世=が、リトル東京にある国立日米博物館とカリフォルニア州ポリテクニカル大学(ポモナ市)でのアート作品の展示会のためロサンゼルスを訪れた。それに先立ち2月28日、北米沖縄県人会で喜納教授の講演会が開かれ、県人会員や喜納教授の友人、親戚関係者が参加した。

 喜納教授は沖縄系3世の父、スパニッシュ系白人の母との間にカリフォルニア州リバーサイドで生まれ、これまでに沖縄を5回訪問している。最初の訪問は10年前で、残りの4回は全て2012年以降となっている。
 今回は博物館側が写真家のエミリー・モモハラさん(県系4世)の作品と合わせて展示した。モモハラさんはハワイ移民でルーツが沖縄と同じであることなどが重なり、沖縄を土台とした喜納教授の作品紹介や沖縄の文化、歴史、現在の基地問題や沖縄の移民の流れについて講演したという。
 喜納教授はキャルポリ大学でも講演した。環境デザインや雑多な文化、特にアジアの文化を学生に伝えてほしいとの要請があったとし「ミャリー・ダニコ副学部長が自分の絵画に深い興味を示したことが、日米博物館への推薦につながった」と語った。
 県系3世のライアン・ヨコタさんとは親しい間柄で、共に日系アメリカ人サービス協会(シカゴ市)の理事で、学究的な分野を享受している。ヨコタさんはロサンゼルスの沖縄県人会に大きな貢献をした経歴がある。
 沖縄のルーツを探求する意味合いもあり、最初の沖縄訪問(06年)で同姓の喜納昌吉氏と妹に会い、いろいろ調べてみたが、自分との関連性はつかめなかったものの「今後もルーツの探索は続ける」と語った。
 喜納教授は「沖縄の歴史、第2次大戦での沖縄戦、現代の沖縄における政治問題、芸術家はどのような方法でウチナーンチュとしてのアイデンティティーと取り組んでいるかなどに深い興味を抱いている」と強調した。(当銘貞夫通信員)