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【知事の一問一答】辺野古代執行、県が上告 玉城デニー知事「自主性・自立性を侵害」 沖縄


【知事の一問一答】辺野古代執行、県が上告 玉城デニー知事「自主性・自立性を侵害」 沖縄 玉城デニー知事(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

玉城デニー知事の会見の主なやり取りは次の通り。

 ―上告の意義は。

 「代執行は県の自主性や自立性を侵害し、多くの県民の民意に反するものだ。全ての都道府県に起こりうる。地方自治を否定する先例となりかねず、決してあってはならない。問題解決に向けて県と真摯(しんし)な対話に応じてほしいと求めている。高裁の判決に承服できないことから、上告を行う」

 ―裁判と対話以外に基地建設を止める方法は。

 「辺野古新基地建設は、最高裁の判断が出たとしても、何の問題もなく進められていくものではない。今後新たな変更承認の申請が数回、数十回行われる可能性は否定できない。その都度、公有水面埋立法に基づいて承認権限を有する知事として、厳正に審査をしていかなくてはならない」

 ―最高裁で勝訴するまで工事が進むことについては。

 「最高裁で今回の判決の問題点を明らかにして、多くの県民の辺野古新基地建設反対という民意をしっかりと訴えていく。政府に対しても、この状況で進めていくことが日本における政府と地方自治体とのより良い関係を作り上げるものになるかについて深く考えてもらいたい」

 ―県民の民意を退けた形の高裁判決についてどう考えるか。

 「辺野古への移設が行われなければ社会的な公益性を害すると主張したいのであれば、移るまでの普天間基地の1日も早い危険性の除去を顧みようとしない政府の姿勢は、県民的な公益を大きく害するものだと言わざるを得ない」

 ―本土の人たちがこの問題に関心を示さない状況が代執行まで至らせてしまった側面は否定できない。本土に対して改めて伝えたいことは。

 「しかるべき正しい情報が、国民の皆さまにしっかりと届けられるための努力を沖縄県庁として取りうる方法で行ってきた。しかし、この沖縄県が発信する力や、ネットワークはまだまだ脆弱(ぜいじゃく)なものがある。県の立場・考え方というものを、より自分ごとと捉えてもらうことを訴え、共有するための方策をしっかりと講じていかなくてはならない。これはメディアの責任でもあると思う。沖縄だけの問題に矮小(わいしょう)化せず、皆さんの地域で行われていること、行われるかもしれないことだと置き換えて考えてもらえるように報道してほしい」