仲里ハルさん死去 積徳学徒隊の語り部 89歳


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 沖縄戦当時、日本軍の看護要員として動員された積徳学徒隊で沖縄戦体験の語り部として活動していた仲里ハルさんが19日午前6時5分、急性心不全のため那覇市内の病院で死去した。89歳。旧下地町(現宮古島市)出身。告別式は21日に那覇市内で終えた。

 仲里さんは沖縄積徳高等女学校在学時の1945年3月、積徳女子学徒隊として豊見城市にあった第24師団第二野戦病院に配属され、負傷兵の看護に当たった。戦後は保険会社で定年まで勤め上げ、晩年は沖縄戦体験の語り部として県内をはじめ、全国各地で講演を行い平和活動に尽力した。
 北海道の教職員らによって2003年に制作された絵本「戦争にいってきたハルちゃん」は、仲里さんをモデルに描かれた。12年に公開された短編記録映画「ふじ学徒隊」にも仲里さんの体験が反映されている。