政治

「財政難」国に矛盾 エアコン補助廃止

 防音事業の空調(エアコン)維持費補助を、2016年度実施設計分から一部廃止するとした防衛省の決定に波紋が広がっている。廃止対象は比較的騒音の影響の低い「3、4級」の空調維持費とされているが、過去に1級が3級に“格下げ”された事例もあり、米軍機騒音が大きく改善されない中での国の一方的な対応に不信感もくすぶる。16年度の予算で初めて5兆円を超す防衛費や、5年間で総額約9465億円(16~20年度)の在日米軍への駐留経費負担(思いやり予算)は増額傾向にある中、「厳しい財政状況」(中谷元・防衛相)での廃止にさらに反発が広がりそうだ。

 「時代が変わったという背景もある」。防衛省関係者は今回の3、4級の空調維持費の補助廃止の理由を明かす。
 「維持費補助が始まったのは1980年代前半。当時と比べ今はほとんどの学校にエアコンはある。設置は騒音という特殊事情によるものではなくなった。いつまでも防衛省が面倒を見る必要があるのか。財政が厳しい折、比較的うるさくない地域での打ち切りを決めた」
 防衛省は維持費補助を廃止する一方、空調の機能復旧工事に対する補助率を引き上げる措置を「セット」で行う。「これで帳尻を合わせる」(同省関係者)と理解を得たい考えだが、奏功するかは不透明だ。
 県教育庁幹部は「県の責任の及ばないところで発生する騒音へ、国の責任で行っているのが防音工事の制度だ」と強調。「『米軍機騒音への対処』として3、4級も空調機の設置自体は補助を継続するのに、一方で維持費をみないのはおかしい」と、補助継続を求める構えだ。
 市町村では、将来的な影響を懸念する一方で、別の不安ものぞく。ある市教委の担当者は「復旧工事の前に騒音測定をやり直すので、等級が変わる場合もある。市内の小学校は1993年に1級とされたが、増築のため2015年に測定すると3級となった。等級は米軍の運用によって変わるので、等級が下がることもある」と、廃止対象がさらに拡大する恐れも指摘した。(島袋良太、塚崎昇平)



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