糸満惜敗、決勝逃す 春季九州高校野球 福大大濠に3―4


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 【長崎県で崎原有希】高校野球の春季九州大会(第138回九州大会)第4日は15日、長崎県の長崎県営野球場で準決勝2試合が行われ、糸満は福大大濠(福岡)に3―4で惜敗し決勝進出を逃した。糸満は二回に2点先制したが、その裏に1点を返された。糸満は三回にも1点を追加し、引き離しにかかったが、逆に相手に小刻みに追加点を許し、逆転された。最終回は得点圏に走者を進めたが、あと一歩及ばなかった。準決勝第1試合では西短大附(福岡)が長崎日大に5―4で競り勝った。決勝は16日に同球場に行われる。

◆悔しさ糧に飛躍誓う
 「1点でも取れていれば流れが来た」(大城翔太郎)。糸満は六回、1死三塁の逆転の好機で併殺され、波に乗れなかった。
 真玉橋治監督は「相手の方が力がある」と読み、早い段階で仕掛けていた。初回は福大大濠のプロ注目濱地投手の球威ある速球を前に三者凡退。二回、打席に立った平安常輝が右への安打を放って出塁。糸満が動く。続く徳元ジンが送りバント、後続打者の相手エラーで1死一、三塁になって広がった好機を逃さず、大城裕靖のスクイズで先制を決めた。打線は続く。2死二塁で神里尚樹が中前適時打を放ち、金城憲貴が生還。1点を追加した。
 1点を返され迎えた三回も先頭打者の大城翔が安打で出塁すると、続く大城幸雅が送りバント。2死三塁の好機を逃さず、平安が遊撃内野適時打を放ち、追加点で再び差を開くがこのまま突き放すことはできなかった。
 休養日を挟んだものの大会での連投が続いたエースは疲れが表れた。四回、同点に追い付かれると、五回には逆転を許した。監督は「チームは守備が課題だ。球際を止められる場面があった」とさらに体を張ることを求める。
 先制からの逆転。1点差の惜敗に主将の大城翔は悔しさを隠さない。一方、昨秋の県大会初戦敗退から九州4強に登り詰めた勢いは止まらない。「夏に向けての課題が多く見つかった。いい試合ができた」と切り替え、夏の大会でのさらなる飛躍を誓った。

◆4強自信に強化目指す 150球粘投、平安
 連投が続いたが、準決勝では150球を粘投したエース平安常輝。何度も訪れる危機を粘って抑え「自分の力は出せたが、コントロールできずにピンチを招いた」と満足してはいない。
 「連投できつくなるのは当たり前。下半身が弱く、球が高めに上ずった」と反省。4強は「自信になったが自信より課題が大きい」と連投してもコントロールできるための下半身強化を目指す。
 主将の大城翔太郎は「いいピッチングをしていた」エースの頑張りに打線が応えられなかったことを悔やむ。「野手のバッティングが弱い。小技はできていたが1発で決まらない」など課題が次々に見つかった。
 惜敗を喫したがチームはすぐに切り替えた。大会を糧に課題を修正できるか。約1カ月後に控える夏の県大会に向けた戦いはもう始まっている。

◆収穫、夏につながる
 真玉橋治監督(糸満)の話 惜しかった。相手は投手がいいと聞いていたので先取点を取るため仕掛け、幸先良かった。相手の方が力がある中で(こちらも)出し切った。平安は連投で球が上ずっていたが、ピンチでも踏ん張り、最少失点に抑えてよく投げた。反省しつつ、夏につながる収穫が多い。4強はチームの自信になった。