【北部】営巣や繁殖の減少が心配されている野鳥、ベニアジサシの調査の一環で、環境省やんばる野生生物保護センターは16日、ベニアジサシの模型(デコイ)を名護市屋我地島の「国指定屋我地鳥獣保護区」の岩礁に約34体設置した。環境省によると、ベニアジサシのデコイを使った調査は日本で初めて。
保護センターの山本以智人自然保護官によると、2004年にはデコイを設置した岩礁だけで約300羽のアジサシが確認されたが、飛来数や営巣数は年々減少傾向。14年の屋我地島全体での営巣数はゼロだった。
今回の調査では、アジサシそっくりのデコイを設置したり、アジサシの鳴き声をスピーカーで流したりすることで岩礁にアジサシを呼び込み、営巣や飛来を促す狙いがある。
マリンレジャーや釣りなどで人間が岩礁に立ち寄ると、アジサシが警戒して営巣や繁殖をしなくなる可能性がある。山本保護官は「6月から8月にかけて繁殖のピークを迎える。屋我地島周辺の岩礁に近づかないようにしてほしい」と呼び掛けた。
デコイは昨年度、旧屋我地小学校(現屋我地ひるぎ学園)の生徒らが色塗りをした。