南カリフォルニア日系人の間でファンドレイジング(資金集め)の一手段としてチャリティー・ゴルフトーナメントがよく行われる。営利・非営利団体にかかわらず、活動の運営資金の一部に充てたり、災害見舞資金に調達されてとても重宝がられているのだ。ロサンゼルスの日英新聞羅府新報は自社が主催するチャリティー・ゴルフトーナメントの前に3月29日、24ページのゴルフ・キャンペーン版を発行。2014年の2世ウイーク女王、トリー・西中・レオンさんの大学時代の女性チーム結成までの過程を特集した。表紙にトリーさんの素顔が大きく掲載されている。
母は沖縄系3世、ロサンゼルス近郊で生まれたトリーさんは日系4世である。高校時代にはすでにゴルフで活躍しており、ローカルで多くの賞を得ている。大学はロサンゼルスの北側に位置するイーグルロックにあるオキシデンタル・カレッジに奨学資金を得て入学、卒業した。
オキシデンタル・カレッジといえばオバマ大統領がハーバード大学に通学する前、この大学で学んだ時期があった。ロサンゼルスの郊外にたたずむこじんまりとした私大である。
トリーさんはこの大学に女子のゴルフチームが結成されてないことを憂慮し、しばらくは男性チームと一緒にプレーした。小柄なトリーさんは大きな体つきの男性の豪快なスイングと比べ決して見劣りすることはなかったという。
いろんな曲折はあったが、トリーさんの努力が実りやがてはオキシデンタル大学に女性ゴルフ・チームの創設へとつながり、同大学のホール・オブ・フェイム(栄誉殿堂入り)を果たした。羅府新報のミッキー・ヒラノ・カーロス記者は「トリーさんは日系アメリカ人コミュニティー間の組織力の強化に貢献し、表彰に値する」と記し、絶賛している。トリーさんは目下、検眼士の免許を取得するためポモナ大学で日夜勉学に励んでいる。
(当銘貞夫通信員)