地元のことを楽しく学べる「金武町かるた」!?【島ネタCHOSA班】


地元のことを楽しく学べる「金武町かるた」!?【島ネタCHOSA班】 絵札・読み札のほか、札に登場する名所旧跡の場所を記した地図と、解説書も付いています。
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 私は那覇市民なのですが「金武町かるた」というものがあると聞き、大変興味を持っています。島ネタCHOSA班で取り上げていただけないでしょうか?

(那覇市 タコライスじょーぐー)

遊びながら、地元のことが楽しく学べる「金武町かるた」ですか。面白そうですね!さっそく調査してみたいと思います。

幅広い題材を札に

というわけで、かるたを制作した金武町立図書館に足を運んだ調査員。館長の安富祖昇さん、係長の仲間リカさんがにこやかに出迎えてくれました。

まずは、かるたの現物を見せてもらいましょう。箱を開けて、札を取り出します。その中からいくつかを紹介するとー。

「た」―「タコライス モリモリ食べて大満足」。

「ち」―「チーイリチャーは金武町のソウルフード」。

食いしん坊の調査員、最初においしそうな食べ物が描かれた絵札に目が止まりました。金武町名物として、地元の人々や観光客に愛されるタコライスと、町民のソウルフードとして親しまれるチーイリチャー(豚肉と豚の血を混ぜ炒めた料理)を紹介しているわけですね。町出身のイラストレーター・伊芸まもるさんが描いた絵札もカラフルで印象的です。

「た」の札。
「ん」の札。カラフルなイラストも魅力

「い」―「いざ行かんわれらの家は五大州」。こちらは、沖縄海外移民の父と呼ばれる當山久三が、ハワイ移民を送り出した時に詠んだ歌から。郷土の偉人の言葉を学べる札。

「ん」―「武田原(ンタバル)と福花原(フッカバル)はタームの名産地」。「ん」の札があるのも沖縄ならでは。金武町を代表する特産品の一つ、ターム(田芋)の産地を取り上げた札です。

…といった具合に、金武町の歴史、文化、自然、景勝地、名物、偉人などを幅広く紹介する内容。5行政区の事物が、バランスよく取り上げられています。かるたの箱には、札に登場する名所旧跡の場所を記した地図と、解説書もセット。それぞれの札について、丁寧な説明が書かれていますよ。これで遊ぶと、子どもも大人も、楽しく金武町について学べますね!

地域の誇り育みたい

かるた誕生の経緯について聞いてみると―。金武町立図書館では、平成23(2011)年から、子どもたちのために、地域の民話を題材とした絵本・紙芝居を作成してきており、金武町かるたもその延長線上として企画されたのだそう。

令和2(2020)年9月に作成委員会を立ち上げ、半年間かけて内容を練り上げ、翌3月に完成。1000部を町内の学校、高齢者施設、県内の図書館に配布しました。

過去には、札に登場する名所旧跡を訪ね歩くウオーキングイベントを実施し、また金武小学校や、金武町立図書館でかるた大会を実施するなどの活用もされているとのこと。

「家庭や地域にあっては、かるた遊びを通して親子の絆を深めるとともに、子どもたちには金武町民としての誇りとなれるようにとの願いを込めています」と安富祖さん。「時代を担う子どもたちへの贈り物ができたと思います」と笑顔で話します。

金武町かるたは非売品ですが、「金武町立図書館では、かるたを手に取って遊ぶことができますよ」と仲間さん。金武町民には、貸し出しも行っているとのこと。興味のある方はぜひ金武町立図書館に足を運んでみては?


問い合わせ 金武町立図書館

TEL 098-968-5004

(2024年3月28日 週刊レキオ掲載)