全九州高校総合体育大会は17日、九州各地で行われ、陸上競技の第69回全国高校対校選手権大会南九州地区予選大会は、女子400メートルリレーで中部商(山内梨愛、岩永留奈、古波藏玲奈、比屋根愛夏)が47秒46で制した。同100メートルは座間味里奈(沖尚)が3位、同400メートル障害の大城有利加(那覇西)も3位に入った。自転車競技の4キロ団体追い抜きは、北中城が県高校記録を更新する4分34秒468で3位入賞した。豊見城高校体育館で行われたボクシング競技は、Aパートのフライ級の松田博人(嘉手納)がベスト4に入った。同バンダム級の大湾硫斗(美来工科)、同ライトウエルター級の屋嘉部悠大(沖水)もベスト4に進出。同ウエルター級の平田大我シャックルフォード(同)もベスト4に入り、全国総体の出場権を得た。
◆4人の決意が原動力
女子400メートルリレーで、中部商業(山内梨愛、岩永留奈、古波藏玲奈、比屋根愛夏)が47秒46で、チームベストを0秒01更新し、2連覇を果たした。
優勝の原動力は昨年の全国総体で比屋根を含む先輩らが決勝に進出できなかった悔しさだ。全国への通過点となる南九州で4人が互いの役割を意識し、リベンジへの切符をつかみ取った。
1走は1年の山内。負傷した津波愛樹の代役だが、ピストルの音と寸分違わない蹴り出しで、1位に躍り出る。「自分で言うのもなんだけど、腕も振れて、足も地面を捉えていた」。2走の岩永は、昨年、姉や先輩が決勝進出を逃した姿をその目で見ていた。「先輩の思いを果たす」覚悟で1位をキープし、3走の古波藏へ思いをつないだ。昨冬の練習で加速力を身に付けた古波藏は山内、岩永の走りを見て「絶対に勝てる」と確信。息の合ったバトンパスでアンカーの比屋根につないだ。
3年の比屋根は後輩らの快走を維持し、そのままゴールまで駆け抜けた。予選や準決勝ではバトンパスのミスが続き、決勝タイムより1秒もロスしたが、決勝までには修正できる団結力も確認できた。
全国では悲願の決勝進出を目指す。そのためには46秒43の県高校記録更新が一つの鍵になる。比屋根は「個々の走力を磨き、どんな状況でもベストを出せる技術を身に付けなければ」と、気を引き締めた。