愛楽園交流会館1周年 足跡たどる記念企画次々


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父とガラス越しにしか話せなかった旧面会室を紹介する平良仁雄さん=5月29日、名護市済井出の沖縄愛楽園

 【名護】沖縄愛楽園交流会館は開館1周年を記念した企画展やフィールドワークなどを実施している。5月29日には園内にある戦時中の避難壕などを歩く学習会が行われ、市民ら約50人が参加した。18日午後2時からは同館で、ジャーナリストの森口豁さんと僧侶の知花昌一さんが対談するトークイベントを開く。

 園内を歩く学習会では、退所者の平良仁雄さん(77)や同館企画・運営委員の山城紀子さんが案内し、納骨堂や堕胎を強制された入所者の子の「声なき子供たちの碑」、戦時中に入所者が手作業で掘った早田壕などを回った。

 子どものころに入所し、面会に訪れた父とガラス越しにしか話せなかった旧面会室などで体験談を紹介した平良さんは「この土地には、強制的に閉じ込められて生きていた人たちの血と苦しみ、涙が埋まっている」と差別の残酷さを訴えた。

 豊見城市から参加した下地敏雄さん(59)は「若い時からこの辺りに来たことがあった。(入所者らは)隔離され、つらい思いだったと思う」と語った。

 企画展やトークイベントに関する問い合わせは沖縄愛楽園交流会館(電話)0980(52)8453。