八商工、同郷対決制す 夏の甲子園県大会第1日


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 第98回全国高校野球選手権沖縄大会第1日は18日、沖縄セルラースタジアム那覇などで1回戦6試合を行った。八重山勢対決は、八重山商工が8―2で八重山を制した。シード校の沖縄尚学は9―4で久米島に逆転勝ちした。そのほか、宮古、那覇、読谷、南部工が2回戦に駒を進めた。第2日の19日は、コザしんきんスタジアムと北谷公園野球場で1回戦6試合が行われる。

八重山商工ー八重山 6回表、3点本塁打を放つ八重山商工の平良海馬=18日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(金城実倫撮影)

◆八商工/平良 口火の3点弾
 注目のカード、八重山勢対決は八重山商工に軍配が上がった。八重山に五回まで1安打に抑えられた八商工の伊志嶺吉盛監督は「敗戦の弁になるかと思った」と振り返る。
 前半は三者凡退が続いた。攻撃で苦しむが、守備では再三のピンチを抑え「終盤勝負」と耐えていた。六回、試合が動く。五回まで好投した相手投手が崩れ、四球が続いた。2死一、二塁の好機で走者をかえすことを考え左打席に立った3番の平良海馬。ファウルが続きフルカウントで迎えた8球目、高めの真っすぐに反応した。打った瞬間「入ったなと思った」という打球は右方向に大きな放物線を描く3点本塁打。0―0の均衡を破った。
 その裏、2点を返されたが七回にも1点を追加。最終回には打線が爆発。打者一巡して4点を追加し、最後まで粘る相手を引き離した。
 7日の抽選会では、八重山勢の初戦対決に会場はどよめいた。一方、伊志嶺監督は「八重山とはどうしてもやりたかった」ときっぱり。抽選前には主将の仲嵩勇雅に八重山を引き当てるように声掛けをしていたという。
 今夏で勇退する伊志嶺監督の前に次戦は第1シードの糸満が立ちはだかる。糸満の真玉橋治監督は3月まで八重山商工で部長を務めている。手の内を知り尽くされているが、「(糸満が)試合していない分、うちが有利かな」と笑う。仲嵩主将は「監督の指示をしっかり守れば勝てる。甲子園まで行きたい」と目標を高く掲げる。2006年春、夏に甲子園を経験した伊志嶺監督の夏はまだ終わらない。
(崎原有希)

<きのうの結果>
▽1回戦
【セルスタ】
那覇 10―8 八重山農林
南部工 6―0 宮古総実
【しんきん】
八重山商工 8―2 八重山
読谷 8―3 宮古工
【北谷】
宮古 3―2 浦添工
 (延長十回)
沖縄尚学 9―4 久米島

<きょうの試合>
▽1回戦
【しんきん】9時
具志川―北中城
嘉手納―具志川商
興南―首里
【北谷】9時
美来工科―南風原
本部―豊見城南
前原―辺土名