沖縄の歴史と今 胸に 愛知・東海市 全6中校 渡嘉敷島で体験学習


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 【渡嘉敷】愛知県東海市立中学校全6校の2年生全生徒、教員ら計1311人が沖縄を訪れ、平和、自然、文化などについて学ぶ「沖縄体験学習」(3泊4日)の「渡嘉敷島体験」(2泊3日)が、5日から国立沖縄青少年交流の家(三田井裕所長)を主会場に始まった。各校が順次島を訪れ、24日まで行われる。2008年6月から始まり、連続で9回目となる。

 内訳は富木島中192人、平洲中191人、横須賀中326人、上野中162人、名和中199人、加木屋中241人。

 渡嘉志久ビーチでのマリン体験(カヌー、海水浴など)や地元の平和ガイドを講師に招いた平和学習をプログラムに組み入れている。3年前からは環境教育の一環として、渡嘉敷村や同ダイビング協会の協力でサンゴの苗(ミドリイシサンゴの仲間など)の植え付けを体験。今回は全6校で苗約170株をプレートに植えた後、指導した地元ダイバーらがビーチ湾内の岩に固定する。

 最終日は東海市と友好都市の沖縄市の中学生との交流会、ひめゆりの塔、平和祈念資料館見学も予定している。

 7日から9日まで訪れた平洲中学校の深尾百花さん(14)は「渡嘉敷村の『集団自決』(強制集団死)は家族同士が殺し合ったということを知った。戦争の悲惨さをみんなに語りたい」と話した。青木悠一郎さん(13)は「海の美しさが心に残った」と目を輝かせた。

 昨年も引率で来島した同校の松山靖校長(52)は「体験を終えた後、生徒たちは積極的に家事を手伝い、地域のボランティア活動などに参加し、感謝の気持ちを表すなど成長が見られる」と成果を強調した。
(米田英明通信員)

平和学習で黙とうをする生徒=9日、渡嘉敷島の集団自決跡地慰霊碑
マリン体験で海を満喫する生徒ら=8日、渡嘉志久ビーチ