東村が管理、整備へ 県立農林学校隊最期の碑 きょう慰霊祭


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2014年6月22日に除幕式が行われた、県立農林学校隊最期の碑=東村内

 【東】沖縄戦で鉄血勤皇隊に動員され、戦死した県立農林学校の学徒や隊長の計11人の冥福を祈り東村宮城の内福地(うちふくじ)に建立された「県立農林学校隊最期の碑」について、村が遺族や同級生から管理を引き継ぎ、北部の沖縄戦の継承へ環境を整備していくことをこのほど決めた。学徒や隊長の慰霊祭が22日、戦死した現場近くの山中にある同碑で開かれる。参列希望者は同日午後2時に東村役場前に集合し、村が碑までバスで送迎する。

 村は碑周辺を囲むフェンスを設置するための補正予算約30万円を計上し、環境整備を進める。今後、案内板の設置なども検討する。

 碑は犠牲になった学徒の同級生で名桜大学前学長の瀬名波栄喜さん(87)らによって2014年に建立され、15年には瀬名波さんの調査に基づいて学徒10人と隊長1人の名が記された刻銘板が設置された。

 瀬名波さんは「南部では糸満市摩文仁が最後の激戦地であるように、北部では東村内福地が最後の激戦地だ。軍隊は戦わないで(農林学校の)学生ばかりを戦わせた」と指摘。悲惨な体験と平和の尊さを次世代へ伝える重要性を強調した。