下河辺氏資料165点、県公文書館に寄贈  17年一般公開へ


この記事を書いた人 金城 美智子
県公文書館の真栄城香代子館長(右)に、下河辺淳氏の沖縄関係資料の目録を手渡す日本開発構想研究所の阿部和彦業務執行理事=22日、南風原町の県公文書館

 1995年の米軍用地の代理署名訴訟で対立していた大田県政と橋本内閣を仲介した元国土事務次官の下河辺淳氏が所有する沖縄関係資料165点が22日、県公文書館に寄贈された。資料には、当時の大田昌秀知事と橋本龍太郎首相の対話のきっかけになった「沖縄問題を解決するために」と題するメモや、98年に当時の官房長官だった梶山静六氏から下河辺氏に宛てた普天間飛行場の移設先を名護市辺野古とする理由を記した書簡などが含まれている。

 南風原町の公文書館で開かれた贈呈式で、下河辺氏の資料を所蔵する日本開発構想研究所の阿部和彦業務執行理事から、県公文書館の真栄城香代子館長に目録が手渡された。この中では、下河辺氏のメッセージも紹介された。「沖縄のために役立ててほしいと願っていたが、それがかない感謝している」とした上で「万国津梁(しんりょう)の鐘に刻まれた銘文、これこそが沖縄の精神。万国津梁の精神で沖縄がこれからもその歩みを進めていくことに期待している」と込められている。
 県公文書館は今後、資料の精査や目録のデータベース化を進め、2017年5月ごろの一般公開を予定している。【琉球新報電子版】