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収容所跡で「屋嘉節」 野村流音楽協会 吉野師範ら追悼演奏

慰霊の日に金武町の屋嘉捕虜収容所石碑前で「屋嘉節」を演奏する琉球古典音楽野村流音楽協会石川支部の吉野久一師範の門下生ら=23日、金武町屋嘉

 【金武】沖縄戦で日本兵が多く収容された金武町の屋嘉捕虜収容所跡地の屋嘉捕虜収容所石碑前で、琉球古典音楽野村流音楽協会石川支部の吉野久一師範(68)の下で学ぶ門下生ら16人が初めて古典音楽と琉球舞踊を追悼演奏した。

 演奏したのは屋嘉捕虜収容所で作られたとされる「屋嘉節」を含む計6演目。追悼演奏会には約25人の区民らが参加した。同会の開催に向け、屋嘉区(伊芸菊博区長)の成人会が石碑を清掃した。伊芸区長は「沖縄戦を風化させないためにも、このような機会は大切だ。今後は毎年、この演奏会を区としてもバックアップしていきたい」と話した。

 新垣杏美さん(11)=金武町、嘉芸小6年=と伊東楓和(ふうわ)さん(11)=金武町、嘉芸小6年=は安波節を演奏した。新垣さんは「屋嘉で生まれた屋嘉節を弾けるように、三線を頑張りたい」と話した。

 伊東さんは「おじいちゃんから戦争の話を聞いた。未来は平和で争いのない世界になってほしい」と平和への願いを込めた。

 演奏会を提案し、屋嘉節を演奏する際にカンカラ三線を手にしていた吉野師範は「当時、空き缶や木材を使って作られたカンカラ三線で『屋嘉節』は歌われていた」と、カンカラ三線を使う理由を話した。その上で「願うのは『恒久平和』。戦没者の追悼と、次世代に伝えていく上でも、この活動を続けていきたい」と話した。