糸満・摩文仁に学徒合同碑建立へ 県、「若者の犠牲」継承


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 1945年に住民を巻き込んだ激しい地上戦が繰り広げられた沖縄戦で、県内の旧制中学校などの生徒たちが「学徒隊」として戦場に駆り出された事実を継承しようと、県は24日までに全21校の学校名、所在地、戦没者数を銘記した合同石碑を糸満市摩文仁の平和祈念公園内に建立することを決めた。

 県による合同石碑はこれまでなかった。2千人を超える10代の若者が戦闘に動員され、約千人が命を落とした沖縄戦の悲劇を後世に伝えていくことが目的。

 合同碑の建立は昭和高等女学校梯梧(でいご)同窓会(稲福マサ会長)が5年ほど前から県に要請してきた。

 翁長雄志知事は24日、同同窓会の上原はつ子さん(87)らと面談し「全国的には学徒がたくさんいたということは知られていない。改めて歴史に光を当てなければならない」と述べ、県内の全21校が戦争に巻き込まれた歴史を伝えるために石碑建立に意欲を示した。

 県子ども生活福祉部の金城弘昌部長によると合同石碑を通して、現在の中高生ら若者に学徒動員の史実を伝えることを目指す。現在、公園内で設置場所を検討している。

 金城部長は「今年度中の着工に向けて努力していきたい。今後、各学校の同窓会へも説明していきたい」と話した。