2014年度の県労働力調査によると、県内の30~40代女性の労働力率が20代女性よりも高くなり、労働力曲線(年代別グラフ)が欧米諸国のような台形状になっていることが分かった。全国的には30代で子育てのため離職する割合が多く、M字曲線を描く状況が課題とされるが、沖縄は放物線を描くという異なる状況が浮き彫りになった。ただ県内の男女間の賃金格差は縮まっておらず、女性が家事や育児のほとんどを担う状況も変わっていない。識者は「子育て世代でも働かざるを得ないだけで、欧米のように女性が働く環境が整っているわけではない」と指摘する。
労働力率などの状況は県がことし3月、男女共同参画に関する報告書でまとめた。女性の労働力率は20~24歳が60・5%、25~29歳が73・2%でともに全国平均を下回ったのに対し、30~44歳は73・3~75%でいずれも全国平均を上回った。県内の女性の労働力曲線は、1989年には全国同様に30代が落ち込むM字曲線を描いていたが、25年間で台形に変化した。
県の報告書はほかに、男女の賃金格差(厚生労働省調査)なども記載。県内女性の賃金は男性の77%(14年度)で全国平均より4・8ポイント高いものの、95年度から70%台で横ばい。育児休業取得率(県調査)は14年度に女性91・4%、男性2・8%で08年度以降ほとんど変化していない。
県女性団体連絡協議会の大城貴代子会長は「夫の賃金が低いため、共働きを強いられる状況がある。離婚率も高く、母子世帯などは子育て中も働かざるを得ない」と指摘。保育所や学童保育の充実、女性議員を増やすことを課題に挙げた。