文化財調査、沖縄市も保留 キャンプ瑞慶覧 調整中理由に


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 【沖縄】沖縄市は2015年、一部返還が合意されている米軍キャンプ瑞慶覧内のロウワー・プラザ地区で埋蔵文化財確認のための立ち入り調査を、防衛局を通じて米軍に求めたところ、米軍との調整中を理由に調査ができていないことが分かった。沖縄市は05年にも、同地区の立ち入り調査を米軍に求めたが、「返還期限を示した最終的な日米合意がされた上で調査すべき」などの理由から、断られている。ロウワー・プラザ地区をめぐっては24年度以降に返還が予定されているという。

 沖縄市は、返還後の土地区画整理をスムーズに進めるため、文化財の有無を事前に確認する調査が必要として05年にも、同地区の立ち入り調査を米軍に求めた。だが(1)基地内の居住者の安全性の問題(2)返還期限を示した最終の日米合意がなされてから調査すべき-という2点を理由に立ち入りを断られていた。

 日米両政府が昨年9月、在日米軍基地内の現地調査に関する環境補足協定締結を受け、沖縄市は再度防衛局を通じて立ち入り調査を申請。しかし、米軍側との調整中を理由にいまだ調査が実現できていない。

 沖縄市の担当者は「ロウワー・プラザ地区の文化財の把握が進んでいない。史跡の有無や状態などに応じて、返還後にスムーズな街づくり形成が図れる。新しい制度など考えられる手段を用いて、今後も対応を進めたい」と話した。