全九州高校体育大会は16日、九州各地で行われた。レスリングは男子125キロ級で嶺井元陽(北部農林)が制した。
これまで総体や新人大会の九州大会では3位が最高だった男子125キロ級の嶺井元陽(北部農林3年)が九州の頂点に立った。「突然九州で1位が取れて、感激でいっぱい」と驚きと喜びを隠せなかった。
相手を崩しながら得点を重ね、1回戦からTスペリオリティーで勝利していった。準決勝では相手の得点が先行し、劣勢に。フォール負け寸前だったがそこから相手を返し、逆にフォール勝ちした。決勝では、積極的な攻めで2試合連続のフォール勝ちを納めた。
これまでは相手の攻撃を受けて、ローリングなどにつなげることが多かった。今回は上半身を下げ、低い重心から積極的にタックルなどで攻め続けたのが良かったと振り返る嶺井。1年生の頃は体力に不安があったが、走り込みなどで心肺機能を高め、6分間戦い抜けられるようになったのも大きいという。
初出場だった昨年の全国総体は「レベルの差があった」と1回戦で敗れた。九州大会をTスペリオリティーやフォールで勝ち進み、初優勝を決めたことは自信となった。最後の全国総体へ「1勝を取りに行きたい。そしてベスト8に入りたい」と意気込んだ。
(屋嘉部長将)
強敵に敗れ 宮城が2位 女子53キロ級
九州総体としては最後となる宮城瑠菜(北部農林3年)はリーグ戦で九州のライバルに敗れて、2位となった。「優勝しにいくつもりだったので、悔しい思いが強い」と唇をかんだ。
第1、2戦ともにTスペリオリティーで勝利し、優勝が懸かる第3戦は総体や新人の九州大会で敗れていた福岡の選手だった。序盤にバックを連続で取られる苦しい展開。タックルからバックを取り、2点返したが、体力が切れて相手の攻撃をしのぐのが精いっぱいになり、追いつけなかった。
練習では先に攻めるスタイルに手応えを感じた。今大会も一定の成果はあったが、攻め続けるため体力の消耗が激しく、スタミナを強化する必要性も感じた。小学6年から競技を始めたが全国大会での勝ち星はまだない。最後の全国総体へ「何が何でも1勝したい」と意気込んだ。
(屋嘉部長将)
(佐賀県・嬉野市中央体育館)
【男子】
▽個人対抗戦51キロ級準々決勝
横田大和(佐賀) Tスペリオリティー3分53秒 玉城廣英(浦添工)
▽同55キロ級準々決勝
怡土悠馬(佐賀) Tスペリオリティー3分54秒 玉城悠(北部農林)
▽同60キロ級準々決勝
田中桜太(鹿児島) Tスペリオリティー3分34秒 松本昇龍(浦添工)
▽同65キロ級準々決勝
茨木凱聖(熊本)フォール54秒 伊良皆元希(北部農林)
▽同71キロ級準々決勝
藤瀬夏唯(佐賀) Tスペリオリティー3分42秒 野原海斗(北部農林)
▽同92キロ級準々決勝
吉田悠耶(佐賀) Tスペリオリティー1分2秒 米盛勝仁(八重山)
▽同125キロ級準々決勝
嶺井元陽(北部農林) Tスペリオリティー1分27秒 里見健(佐賀)
▽同準決勝
嶺井 フォール46秒 長谷川陸(福岡)
▽同決勝
嶺井 フォール1分 長峯颯(大分)
【女子】
▽個人対抗戦53キロ級決勝リーグ
宮城瑠菜(北部農林) Tスペリオリティー1分11秒 松田彩礼(宮崎)
新村風香(福岡) 4―2 宮城
▽同最終順位(2)宮城2勝1敗