沖縄県教育委、辺野古崎を遺跡認定 移設計画に影響


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 沖縄県教育委員会は20日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設が計画されている米軍キャンプ・シュワブ内の辺野古崎突端付近の陸上部・海域について、文化財保護法に基づき「長崎兼久遺物散布地」として遺跡に認定した。同日、県庁で会見を開き発表した。文化財保護法に基づき、事業主体の国は、遺跡の調査を求めている名護市との協議が必要になり、協議終了まで新基地建設工事が中断する。また、協議終了後には同遺跡の本格的調査と遺物の保存が必要になるとみられ、新基地建設計画の進捗(しんちょく)に大きな影響を与えるのは必至だ。

 県教委は「協議や本格的調査に必要な期間は一概に言えない」と説明しているが、同遺跡の本格的調査が終了するまで、長期間にわたり新基地建設工事が中断する可能性もある。文化財保護法では協議終了後の本格的調査の実施や遺物保存の「法的拘束力はない」とされるが、県教委は「(基地建設に限らず)文化財保護を無視して工事を強行したという例は聞いたことがない」としている。

 名護市教委は、今年1月に同区域の試掘調査で発見した計19点の土器、石器、陶器片などを根拠に遺跡認定を申請した。県教委は遺物のうち、4点が同遺跡に隣接する大又(うふまた)遺跡とは年代の異なるものと確認し、新しい遺跡と判断した。

 今回の遺跡認定について県教委の平敷昭人教育長は「文化財保護は法律に基づき対応する。工事が文化財に影響するのであれば、調査と保存を実施してほしい」と話した。