人が選ばないテーマを、できる限りの力で <2023年度社会科新聞コンクール入賞者に聞く>1


人が選ばないテーマを、できる限りの力で <2023年度社会科新聞コンクール入賞者に聞く>1 コーヒーの実(資料写真)
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2023年度に開催された第25回沖縄県中学校社会科新聞コンクールに3760人の応募がありました。その中から県知事賞に選ばれた松本和呼さんに、テーマの選び方や、新聞を製作する上で工夫した点などを聞きました。

県知事賞 「美ら探訪」 松本和呼さん(屋部中2年)

ーこのテーマを選んだ理由は。

両親がコーヒー好きで、自宅の庭でコーヒーの木を育てています。沖縄の一部が(コーヒー栽培に適した)コーヒーベルトの中に入っていることを偶然知り、興味を持ちました。人が選ばないようなテーマで書きたいという思いもあり、このテーマで書くことを決めました。

ー情報収集の方法は。

コーヒーについて何も情報を持っていなかったので、沖縄におけるコーヒーの歴史、現状や課題、可能性についてインターネット、特に新聞社のデジタルサイトで調べました。その上で、実際にコーヒーを栽培している人に話を伺いました。親が一緒にコーヒー農園を探してくれましたが、(取材依頼の)連絡は自分でしました。話すことを紙に書いてインタビューのお願いの電話をしましたが、とても緊張しました。

コーヒー農園では、実際に育てているところを見せてもらい、栽培方法や大変さを聞くことができました。自宅で育てているコーヒーに実が付かないことを相談すると、ビニールハウスで育てることや栄養を与えることなどを教えてもらいました。アドバイス通りにやってみると花をつけたのがうれしかったです。

コーヒーについて調べる過程で、コーヒーに関わるSDGsの取り組みがあるのか疑問を持ちました。インターネットで調べたところ、フェアトレードという言葉を知りました。とても大切なことだと思ったので、そちらについても調べることにしました。

ーまとめ方で工夫した点は。

コーヒーの歴史についてはたくさん書きたいからトップ記事に、写真を入れたいから農園でのインタビューはタタミ記事に、空いたセカンド記事の部分にコーヒー産業の未来について書こうと決めました。

カコミ記事では、最初はコーヒーベルトにどのような国が入っているかをまとめていましたが、社会の先生のアドバイスを受けて、フェアトレードに変更しました。1人でも多くの人がフェアトレードについて知り、認証マークの付いた商品を買ってくれたらうれしいと思い、「私たちにできること」としてまとめました。

見出しのレタリングも最初は自分の字で書いていましたが、かっこよく目立つようにしたいと思い、パソコンで文字をプリントアウトして窓ガラスにあてて写し取りました。文字のサイズを合わせるために何度も拡大・縮小コピーするのが大変でした。

見出しはパッと見て内容が分かるようにし、コーヒーのイラストも入れました。

ー心掛けたことは。

実は文章を書くことが苦手で、下書き段階で何度も書き直し、提出用の新聞用紙でも2、3枚作り直しました。作るからには中途半端なものではなく、できる限りの力で作りたいと頑張りました。自分なりの切り口でテーマを深め、読んだ人が「自分ごと」として捉えられるような内容になるよう心掛けました。