「ロータリー打線」爆発 甲子園初勝利の嘉手納 七回打者一巡で8点


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嘉手納-前橋育英 7回嘉手納無死満塁、逆転のホームに生還し気勢を上げる仲井間光亮=11日、甲子園球場(諸見里真利撮影)

 第98回全国高校野球選手権大会第5日は11日、甲子園球場で3試合が行われ、沖縄県代表で初出場の嘉手納が甲子園初勝利を挙げ3回戦に進出した。嘉手納は2点を追う七回に9長短打を集めて8点を奪い、10-3で前橋育英(群馬)に逆転勝ちした。

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 一度火が付くと、嘉手納打線の勢いは止められない。前橋育英に主導権を握られ迎えた七回、嘉手納は打者一巡12人、9長短打で一挙8点をたたき出し、勝利を決定付けた。

 七回は9番・新垣和哉の遊撃内野安打で始まった。続く1番・幸地諒承は送りバントが一塁内野安打となり、さらに2番・仲井間光亮は自らの判断でバントヒットを成功させた。仲井間は日ごろから大蔵宗元監督に「自分の考えでバントを積極的にやっていい」と言われ、大舞台で実践した。

 無死満塁。3番・大石哲汰の押し出し四球で1点を挙げると、逆転ムードが一気に。4番・知花拓哉は「何も考えずに強くバットを振ろうと意識した」と内角低めの狙っていた直球を捉え、走者2人を返す逆転適時打を放った。その後も6番・古謝巧真から5者連続で安打を放ち、得点を量産。好機を逃さずに重ねた得点は10点。打力を見せつけた。

 三回の先制直後に失策が絡んで逆転を許し、六回まで流れを失いかけていたが、大蔵監督から「ちゃんと自分のプレーをやっていけ」とハッパを掛けられ、ナインはハッとした。「沖縄みたいに自分たちの野球をしていこう」。〝嘉手納らしさ〟を取り戻し、甲子園で躍動した。(崎原有希)