【西原・中城】画面の歌詞を見ながら童謡を歌えるDVD「テレビ童謡・愛唱歌詞集」を作った佐久本清さん(74)=中城村=が「大勢で一緒に楽しく歌うことで、認知症予防にいい。多くの人に利用してもらいたい」と張り切っている。10日、西原町幸地の公民館で披露し、地域のお年寄りらの楽しげな歌声が響いた。
佐久本さんは以前、西原町で映像制作の仕事をしていた。10年ほど前にデイサービスの施設を訪れた際、お年寄りたちがテレビに夢中になっているのを見て、このDVDを思いついたという。
テレビ画面いっぱいに大きな文字で写る歌詞の全体を見ながら歌うことができるのが特徴だ。「カラオケは歌詞の一部が流れていくが、これは全部が画面に写る。歌詞集を配る必要がない」と説明する。
童謡や愛唱歌、沖縄民謡を中心に全部で120曲が入った2枚組のDVDを制作した。歌いやすいように編曲、編集ソフトを使って歌詞と一緒に収めた。画面上で歌の選択などができる。
「ものすごい時間がかかり、途中でやめようかと思った」と振り返るが、出来栄えには満足げだ。現在は福祉施設などを回り、無償で提供している。使用する曲は著作権の手続きを行い、商標登録もしたという。
歌うことでお年寄りに元気になってもらいたいと願うとともに童謡を守りたいとの思いもある。「子ども時代に歌った童謡が、次第に歌う人がいなくなり、消えつつある。童謡や沖縄のわらべ歌を守り、児童文化を残していきたい」と話す。問い合わせは佐久本さん(電話)090(3327)1049。