豊漁、豊作願いウンガミ 大宜味・塩屋湾


この記事を書いた人 新里 哲
海に漬かった女性たちの声援を受けながら浜にたどり着くハーリー舟 =21日、大宜味村の塩屋湾

 【大宜味】国の重要無形民俗文化財に指定されている「塩屋湾のウンガミ(海神祭)」が21日、大宜味村の塩屋湾内と周辺集落で行われた。カミンチュ(神女)が田港、屋古両地区のアサギ(祈り場)で豊作や豊漁を祈った。村外からも多くの観光客が訪れ、地域の男性らによる御願バーリーに大きな拍手を送った。

 塩屋湾のウンガミは毎年旧盆明け最初の亥(い)の日に行われ、400~500年間続くといわれている。

 各アサギでは地域内外の人々が神女3人の前に列を成して酒や餅をもらい、1年間の厄払いをした。御願バーリーでは神女を乗せた舟を約30人の男性が力いっぱいこいだ。終着点の浜ではわらで作った鉢巻きや帯を身に着けた女性たちが海に漬かって舟を迎えた。

 ハーリー後、神女らの行列は兼久浜に向かい、ニレー(西の海)に向かって祈願した。続いてシマンホー(祭祀(さいし)を担当する男性)2人がイルカを突き刺すしぐさをした。

 神女の1人、湧川ツヤ子さん(71)は先祖に対し「『今に生きている人たちに力を貸してください』とお願いと感謝を伝えた」と話した。