台風13号の接近に伴い、沖縄県内の漁港や観光施設では13日午前、台風対策に追われる様子があった。
名護市の観光施設「ネオパークオキナワ」では13日までに、園内に設置していた10メートル四方の大型テント3張りをクレーンで撤去したほか、停電に備え、排水用のポンプを用意するなど準備を進めている。
13日午前には職員らが入り口の大型看板を取り外す様子が見られた。ネオパークオキナワの宇栄原郁夫施設管理部長は「風が強くなる前に対策を進めた。何があるか分からないので、万全の準備をしている」と話した。
名護漁港では13日午前、台風の接近に備えて漁師らが漁船をロープで固定するなど、作業を進めた。船のエンジンルームに、ブルーシートや網を掛けて保護していた刺し網漁師の上原健さん(65)は「今回はそんなに強くなさそうだけど、万が一に備えないとね。誰かの船にぶつかったら大変だ」と話した。
船が風で飛ばされないよう地面に固定していた刺し網漁師の比嘉照大さん(39)は「厳重に対策している。船が安全でいてくれれば」と話した。
恩納漁港では、12日午後から13日午前にかけて船を陸揚げし、ロープで固定した小型の漁船が並んでいた。
恩納村漁業協同組合の金城治樹組合長によると、村近海では水深が深い場所でサンゴの白化もあり、「このままの海水温ではサンゴの死滅が決定的になる危険性がある」と危惧していた。
台風は海底の泥を一掃するため、9月末から始まるモズクの種付けにも大切といい、「被害がないに越したことはないが、台風が来ないと悪影響もある。水温が下がることを期待したい」と話した。