沖縄予算3210億円要求 140億円減“約束”以降最少


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 【東京】内閣府は31日、2017年度概算要求で沖縄関係予算を、16年度当初予算比で140億円(4・2%)減の総額3210億円に決定した。沖縄振興一括交付金が16年度比で275億円(17%)減額となったほか、那覇空港滑走路増設事業費330億円、沖縄科学技術大学院大学(OIST)への補助金167億円も沖縄関係予算として一括計上。国が県に毎年3千億円台の沖縄関係予算を約束した14年度予算以降の金額では最も低くなった。併せて発表した17年度税制改正要望では、酒税軽減措置の5年間延長や、航空機燃料税軽減措置の3年延長などを盛り込み、沖縄関係税制の9制度ともに延長や拡充を求めた。

 沖縄振興一括交付金は1338億円で、制度が創設された12年度予算以降で最低となった。内訳は、沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)が138億円減の668億円、沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)が137億円減の670億円。内閣府は減額について、不用額や繰越額の多さが理由だと説明している。

 新規事業は、企業誘致や国際物流拠点を活用したものづくり産業の創出、OISTと企業の相互連携を図る「沖縄産業イノベーション創出事業」として10億円、離島市町村の先導的な事業を支援する「沖縄離島活性化推進事業」に10億円が計上された。那覇空港滑走路増設事業を含む国直轄事業や地方公共団体への補助事業などの「公共事業関係費等」は101億円増の1524億円となった。

 米軍属女性暴行殺人事件を受けて創設された防犯パトロール要員については8億7千万円を計上。パトロール要員は、予算を防衛省と分担する部分もあったが、概算要求では内閣府が一括で計上し、本予算までに防衛省と議論を進める。パトロール隊を巡っては防衛省が沖縄に派遣された職員を北部訓練場のヘリパッド工事現場の警備だけに当たらせていることが明らかとなっている。

 17年度沖縄関係予算の概算要求について、鶴保庸介沖縄担当相は「沖縄振興の総合的・積極的な推進を通じ、沖縄県民の暮らしの向上を図り、広く沖縄県民が豊かさを享受しうるようにつとめ、沖縄が地方創生のモデルとなることを目指し、全力で取り組む」とのコメントを発表した。