令和のマチヤグヮー「まつだ商店」!?【島ネタCHOSA班】


令和のマチヤグヮー「まつだ商店」!?【島ネタCHOSA班】
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昨年リニューアルオープンした「まつだ商店」にはもう行きましたか?店内はキレイだし、珍しい商品もたくさんあってオススメですよ~! ぜひ取材してみてください。

(うるま市 ヒートゥアイランド)

「まつだ商店」は、読谷村高志保で67年間親しまれ、2020年に閉店した「スーパーまつだ」を、同村在住で会社経営者の比嘉徹さんが事業承継。「令和のマチヤグヮー」をコンセプトに、昨年7月にリニューアルオープンしたお店です。まだ行ったことがなかった調査員は、この機会に1周年を迎えたまつだ商店を訪れてみることにしました。

レトロとモダンの調和

まつだ商店は、昔ながらの人とのつながりを大切にしつつ、時代の変化に合わせた読谷村の新スポットです。コンクリート造りのモダンな外観。木を基調とした店内には、裸電球と高窓から差し込む自然光に照らされた商品が並び、まさに古き良き商店という雰囲気。

「お客さんから見える部分はいわゆるマチヤグヮーの様相ですが、レジシステムなどは完全にデジタル管理。電子マネーなどの決済もほとんど使えますよ」と話してくれたのは、店長の照屋雅文さん。事業承継を行った比嘉徹さんは義理の父に当たります。

店長の照屋雅文さんはDIY好きな一面も。「建築物としても面白いので、建物マニアの方にも一度来てほしいです!」とPRします

公設市場をイメージしたという広い店内には鮮魚店や精肉店の他、フルーツジュースの店も入居しており、いずれもマチヤグヮー特有の相対売りを大切にしてます。雑貨類が並ぶコーナーには、トタン屋根の上に「まつだ商店」の看板を付け、一つのお店のように見せているのもこだわりのポイント。高齢者向けに用意したという「ゆっくりレジ」は、お客さんと店員とがユンタク(おしゃべり)しながら会計ができ、交流の場として人気があるといいます。

昭和レトロ感漂う店内
快適さにこだわったというトイレ。古代遺跡のような壁面は、既存壁のタイルを剥がした部分をそのまま生かしています

「人と人との販売ができるのも魅力。オープン当初からお客さんが困っていたら声を掛けるなど、スタッフには思いを伝えています」

そのかいもあり「また買い物ができてよかった」、「遠方まで買いに行っていた商品がここで買えるから楽になった」など、お客さんからの反応も上々。「地域住人の方をはじめ、観光客など多くの方々に足を運んでいただき、高志保に新しい風を吹かしきれているんじゃないかな」と照屋さんは胸を張ります。

新しい商店のモデルケースに

昔からある町の魚屋さんや肉屋さんが一挙に集まっているまつだ商店。「これは一つのモデルケースになる」と照屋さんは語ります。

「今後、離島を含めた沖縄全体で商店の閉店が多くなると思うんです。それにより、買い物難民も出ているし、今後も増えるでしょう。商売を通して、社会問題を解決できたら一番良いですね」と先を見据えます。

まつだ商店では、村内で移動販売車も運行。買い物に出かけるのが困難な高齢者などを中心に支援を行っています。

「理想は何でも屋になることです。買い物に困っている人って、普段の生活でも困っていることがたくさんあると思うんですよ。困りごとがあったらまつだ商店に行こう、って思われるくらい、地域に必要とされるお店にしたいですね」

商売を通じて社会貢献に努めるまつだ商店には、今後も多くの人が訪れそうです。


まつだ商店
読谷村字高志保300
営業時間=10:00~19:00
TEL 098―923―1531
Instagram:@matsuda.300

(2024年10月17日 週刊レキオ掲載)