「本土は当事者意識を」 福岡でシンポ 知念さん県外移設訴え


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 沖縄の米軍基地の県外移設をテーマにしたシンポジウム「私たちの出会い直し 沖縄の米軍基地を引き取るということ」が17日夜、福岡市中央区の「ふくふくプラザ」で開かれ、約200人が参加した。パネリストは沖縄からライターの知念ウシさん、東大大学院教授の高橋哲哉さん、西日本新聞論説委員の永田健さんの3人。会場からの質問をボードに張り出しパネリストが答える形での質疑もあり、3時間にわたって熱心に議論した。

 知念さんは「本土の皆さんが(基地を沖縄に)押し付けている当事者だと意識して、(基地を)引き取って初めて対等な人間同士になれる」と訴えた。高橋さんは「日本の世論の8割が日米安保体制を支持している」と指摘した上で、米軍専用施設の約74%が沖縄にある現状を「非常に不合理だ」と強調した。永田さんも当事者意識を持つことの重要性を指摘した。

 主催した市民団体「本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会」代表の里村和歌子さん(41)は、辺野古埋め立て承認取り消しを巡る違法確認訴訟で16日に沖縄県が敗訴したことに触れ、「沖縄の民意を一切顧みない冷たい判決」と批判した。

 シンポを終えて、知念さんは「これまでこういう場に呼ばれると大変緊張したが、きょうはとても温かい雰囲気だった。沖縄から聞きに来た人もいた」と満足げに話した。里村代表は「見込みより多く来てくれた。会を立ち上げる前の去年7月から今度で6回目。当初は反発が強くぎすぎすしていたが、この1年で雰囲気が変わった」と強調。「質問も50件ぐらいあった。終わってから参加者から『いいシンポだった』『新しい発見があった』と言われた」と手応えを語った。