バレーボールの第69回全日本高校選手権大会(春高バレー)県代表決定戦は19日、豊見城市民体育館で男女決勝まで行われ、男子は西原が宮古を3―1で破り、7年連続22回目の頂点に立った。女子は西原がコザを3―1で下し、2年連続6回目の栄冠を手にした。優勝した西原の男女は来年1月に東京で開催される春高バレーに出場する。
◆苦戦も収穫多いV7/男子
絶対王者の西原が苦しんだ。到達点が3メートル30と打点が高く、滞空時間が長い宮古の上原優人にボールが集まる。ブロックの上からスパイクを打たれ失点が重なった。しかし慌てなかった。ブロック陣がジャンプのタイミングを図り、相手エースを止める。第2セット以外は20点以内に抑えた。
7連覇の懸かった大事な試合。最後は西原の貫禄勝ちだった。収穫も多く、玉那覇優斗主将は「連覇の伝統を落とすことなく続けられてホッとしている」と控えめに笑った。
試合を通した成長もあった。準決勝でセッターが故障するトラブルに見舞われ、決勝は急きょメンバーを変更。1年生の茂太隆次郎が入った。試合開始時から先輩が声を掛けカバーし、「ゲーム中に育ててくれた」(城間修監督)。
6回の選手交代の権利を使い切り、控えの選手も決勝の舞台で経験を積んだ。個々のレベルアップにつながる内容となった。
ユニホームを着ることができなかった3年生もいる。その思いも背負い、全国に挑む。「去年は2回戦であっけなく負けた」(金子修大)。悔しさを忘れず、ベスト4以上を狙う。(崎原有希)
◆ブロック機能 波に乗る/女子
女子決勝、西原が接戦を制した。セットカウント1―1で互角の戦いの中、迎えた第3、4セット。いずれも中盤から、1年生エース名嘉山友愛と3年の山内萌らのスパイクで連続得点を奪い、勝負を決めた。
序盤からコザのエース・大城行美が放つスパイクに苦しんだ。ポジションをしっかり取り、クロスのスパイクを封じるため「手を持っていかれないように力で押した」(仲地杏美)。意識していたコースを抑えるブロックが徐々に機能し始め、波に乗っていった。
予選敗退を喫した全国総体後、砂浜で足腰を鍛え、重いボールを使い上半身を鍛えるなどして力を付けてきたことが生きた。一方、大会では練習を重ねたサーブでミスが目立ち、精神面の課題も見えた。
リベロを含むスタメン7人中5人が1年生。全国総体後も残った2人の3年生を“春高バレー”へ「絶対に連れて行く」と決勝に臨んだ。西原の目標はベスト8以上だ。