教員の残業実態 18教委把握せず 労務管理に支障も


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 【宜野湾】全国的に教員の労働条件改善が課題となる中、本来各市町村教育委員会が教員の労働状況を監督すべき立場にあるにもかかわらず、超過勤務時間を把握していない市町村教委が少なくとも18に上ることが20日、琉球新報の調べで分かった。

 回答が得られた17市町村教委が「各学校に任せている」「退勤時間を記録する仕組みがない」などとして超過勤務実態を把握していないと答えた。1村教委は「県の職員なので村は回答できない」と答えた。

 公立小中学校の教員は県職員だが、地方教育行政法で市町村教委が服務を監督するとされている。実態を把握できていない状況では労働環境の改善策を検討する際にも支障が出ると考えられる。

 県の神里一吉学校人事課小中学校人事管理監は「市町村立小中学校教職員の労務管理は市町村教委の管轄だ。適切な労務管理がなされるよう依頼している。(県教委でできるのは)依頼や提言だけだ」と話した。

 宜野湾市議会の一般質問で教員の労働環境について20日、質疑があり、宜野湾市教育員会の仲村宗男指導部長は「超過勤務の実態については把握できていない」と、桃原功市議の質問に答えた。

 宜野湾市では教員が午前8時15分までに出勤すると、出勤簿に押印するが退勤時刻は記録する仕組みがない。仲村部長は「今後、他市町村の情報を収集し、タイムカードなども含めて研究したい」とも述べた。先だって同市は教員が市職員である公立幼稚園にタイムカードを導入している。

 県教職員組合(沖教組)は今年7月、県議会に対し、学校労働環境の改善を求める陳情をし、「管理職に職員の出退勤時間の管理をさせ、超過勤務を正確に把握させること」を求めている。ある教員は「子どもたちへの教育に集中するため、労働環境を改善してほしいと要求している」と訴えた。

 一方、教職員の賃金体系は、残業時間に応じて手当を支払う仕組みではなく、基本給に4%を上乗せした形で「教育調整額」を毎月支給している。