日本ハンドボールリーグ(JHL)の琉球コラソンは22日、沖縄市体育館で今季初のホーム戦を行い、34-23で湧永製薬に大勝した。4試合3勝1敗となり、3位に順位を上げた。
試合は前半からコラソンの守備が湧永製薬のセットプレーを封じた。攻撃も勢いづき、前半を19-7で折り返す。後半は退場者が相次いだものの、リードを維持し、大差で振り切った。
湧永の東江太輝(那覇西高-日体大出)はチーム最多の12得点を挙げた。
コラソンの次の試合は25日午後3時、愛知県の春日井市総合体育館で現在2位のトヨタ車体と対戦する。
琉球コラソン(3勝1敗)
34―23(19―7,15―16)
湧永製薬(2分け1敗)
【評】コラソンは出だしから湧永製薬のセットプレーを封じる堅守速攻で一気に引き離し、勢いに乗った。攻撃では体格で勝る湧永と距離を取りつつ、常に足を動かして相手守備をずらし、空きスペースに切り込んで加点。後半はパワープレーで巻き返す湧永にコラソンは退場者を4人出したが、主導権は常に手放さなかった。(嘉陽拓也)
◇堅守速攻 主導権渡さず
セットプレーを中心に堅実に攻める湧永製薬に対し、攻撃の起点をつくらせないコラソンの守備がはまった。開始直後から堅守速攻で一気に4連続得点。連発するコラソンの好プレーに会場は沸き、大歓声を力に変えた選手らがホーム初戦を大勝で締めた。
勝因は対策を練った守備だった。ポストを使ったセットプレーで「2対2」に持ち込もうとする湧永に対し、コラソンは横一線守備ながら、素早いプレッシャーでパス回しから阻止した。作戦を崩され強引に攻める湧永の勢いを連係守備で崩すとシュートを打たれても、「味方が攻撃を外へ外へと流し、止めやすい守備をしてくれた」と、GK田村卓大がはじき返した。
機動力の高い攻撃では、体格で勝る湧永の守備をまばらにし、196センチの長身から振り下ろすように放つ趙顯章のロングシュートや、冷静で視野の広い石川出の味方へのアシストパスが決まる。石川は個人技もさえ渡り、相手守備の隙を逃さず、1本のミスなく10得点を挙げた。
後半は巻き返しを図る湧永のパワープレーでコラソンに退場者が相次いだが、大量リードを生かした冷静な試合運びで主導権を渡さなかった。石川は「この内容が続けばプレーオフに進出し、日本一になれると思う」と胸を張った。
(嘉陽拓也)
◇勝てて波に乗れる
水野裕紀選手兼監督の話 弱い相手ではなかったが、出だしから機能したディフェンスからの速攻で得点を伸ばした。湧永が得意とするセットプレーから「2対2」に持ち込ませなかった。攻撃は強引なポストプレーでミスをするより、動いてミドルシュートで打っていく作戦が奏功した。ホーム戦は選手全員、気合を入れて臨んだだけに、勝てて波に乗ることができた。