沖縄・八重山で一時1990世帯停電 台風17号、与那国で最大53メートル


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 非常に強い台風17号は27日午前3時ごろから沖縄・先島諸島を暴風域に巻き込み、同諸島地域を通過した。同日午後10時11分、与那国島を最後に全ての地域で暴風警報が解除された。与那国町祖納では午前11時43分に最大瞬間風速52・8メートル、竹富町波照間で午前10時40分に48・7メートル、石垣市登野城では午前9時12分に40・8メートルを観測した。最接近した八重山地方では一時最大で1990世帯が停電した。28日午前0時現在、与那国町で420世帯がまだ復旧していない。

 石垣市では倒木により通行に影響が出た他、石垣市、宮古島市、竹富町、与那国町、多良間村の各小中学校は休校となった。台風を避け石垣島沖合に停泊していたモンゴル船籍の漁船セファー(119トン、乗組員7人)が座礁した。けが人、油漏れなど被害は確認されていない。
 沖縄気象台によると、台風17号の影響による降水量は与那国島が26日午前9時から27日午後7時までに165・5ミリ、竹富町波照間で143・5ミリを観測した。
 台風17号は27日午後9時現在、台湾を時速20キロで西北西へ進んでいる。29日午後3時までには熱帯低気圧に変わる見込み。沖縄気象台によると、トラック諸島近海にある熱帯低気圧が台風18号に変わる可能性があるという。
 一方、10時間以上にわたって暴風域に巻き込まれた先島地方では、けが人や建物被害は確認されていない。
 避難所となった石垣市健康福祉センターには一時10世帯18人が自主避難した。避難所に自主避難していた市新栄町の仲間正則さん(64)は「長い台風だったが、ひどい被害が出なくて良かった」と安心した様子。
 宮古島市の農家、宮平浩幸さん(28)は「今年は5、6月に台風もなくバナナやパパイアの木は順調だったが、被害を受けたかもしれない」と肩を落とした。