中山良彦さん死去 沖縄戦体験継承に力 91歳


この記事を書いた人 新里 哲

 沖縄海洋博覧会の沖縄館やひめゆり平和祈念資料館などの展示内容を総合的にプロデュース(製作・演出)し、1978年に県平和祈念資料館の展示を住民の視点から刷新するなど、沖縄戦体験の継承に尽力した博物館展示総合プロデューサーの中山良彦(なかやま・よしひこ)さんが29日午前7時30分、老衰のため自宅で死去した。91歳。那覇市出身。告別式は10月1日午後2時から3時、浦添市伊奈武瀬1の7の1、いなんせ会館で。喪主は長男丞(たすく)さん。

 復帰前は沖縄人民党で中央委員として「人民文化」の編集などに携わった。海洋博沖縄館で沖縄戦に関する展示などを手掛けた。

 旧県平和祈念資料館の展示を巡り、県が76年に設置した運営協議会の会長を務めた。「軍隊礼賛」などと批判を受けていた展示を、住民の戦争体験を基軸とする内容に刷新。ひめゆり平和祈念資料館では、戦争体験者が証言員として体験を伝える展示形式を確立した。

 63年の沖縄音楽文化協会設立にも尽力。旧制開南中学校の同窓会長も務めた。