最強風雨に不安 台風18号


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台風18号の最接近を前に避難所に身を寄せた人々=3日午後6時3分、那覇市保健所

 数十年に一度の風や雨、波などが予想され、命に関わる非常事態となることが迫っていることを知らせる特別警報が出された台風18号。沖縄に接近した台風としては統計開始以来最も強い勢力であることを示す、中心気圧の905ヘクトパスカルにまで急発達し、3日夜、沖縄本島と久米島に接近した。重大な災害が起こる可能性が高まり、本島や久米島などで各市町村が避難所を開設。身の危険を感じる市民らが身を寄せ、不安な一夜を過ごした。3日は多くの公共機関のほか、学校も終日休校となり、対応に追われる家庭もあった。

 【久米島】台風が直撃した久米島町は町全域に避難勧告を発令し、町役場仲里庁舎、町具志川農村環境改善センター、宇江城公民館に避難所を設置した。3日午後7時現在、47人が自主避難している。また、先月から台風などの影響で海が荒れ、10日に1回ほどフェリーが欠航し、パンや牛乳などが手に入らない状況だ。カップラーメンなどの保存食品も品薄になっている。
 避難所の一つ町具志川農村環境改善センターには、13世帯17人が避難した。高潮が心配で初めて避難所を利用したという糸数康範さん(56)は「長年の経験、体感から、これは避難しないと危険だと思い、家の防災対策をしっかりした後、隣近所にも呼び掛けて避難した。地域の人も一緒だと不安も和らぐ」と話していた。
 また仲里庁舎には、9世帯28人が自主避難している。離島留学制度で県立久米島高校に通い、町地域支援交流学習センターで生活する島外出身の生徒13人と寮母1人も避難した。宇江城公民館には1世帯2人が避難している。
(中島徹也通信員)