台風18号、久米島で風速約60メートル観測、ほぼ全域で停電 最強級905ヘクトパスカル 沖縄県内34市町村に特別警報


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台風18号の予想進路図(4日午前2時現在、気象庁ホームページより)

 猛烈な台風18号は3日夜、沖縄県の久米島地方の一部と慶良間・粟国諸島を暴風域に巻き込み、久米島の南を北北西に進んだ。気象庁は同日午後7時2分に暴風・波浪・高潮・大雨の特別警報を沖縄県内の34市町村に発表。4日午前0時現在の中心気圧は905ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は60メートル、最大瞬間風速は85メートルで、沖縄地方を通過する台風としては過去最強クラスの勢力。
 沖縄県の島尻消防本部によると3日午後7時6分、南城市玉城字堀川で男性(37)が運転するバイクが強風にあおられて転倒し、軽傷を負った。久米島空港では4日午前0時49分、最大瞬間風速59・7メートルを観測した。琉球新報の調べでは26市町村が67万9803人(29万9105世帯)を対象に避難勧告を出し、115カ所の避難所を開設した。半数以上の自治体が避難勧告を出すのは初めて。午後10時半までに少なくとも34市町村で959人が避難した。

満潮時と重なり大しけとなる海岸=3日午後8時12分、沖縄県与那原町板良敷(又吉康秀撮影)

 沖縄気象台は「これまでに経験したことのないような暴風、高波、高潮、大雨となり、特に久米島を中心に、甚大な被害が発生する恐れがある。家の中でも窓に近づかないなど、最大の警戒をしてほしい」と最大級の警戒を呼び掛けた。
 沖縄電力によると4日午前0時現在、久米島町でほぼ全域となる3660戸が停電している。座間味村や南城市知念などでも停電が発生した。
 台風18号は4日午前0現在、中心から半径90キロ以内で風速25メートル以上の暴風が吹いている。4日午前9時~正午までに沖縄地方の特別警報は解除される見込み。
 24時間降水量は午後9時20分までに粟国空港で51ミリを記録。沖縄本島や周辺離島、久米島で雨風がさらに強まり、4日にかけて沖縄本島地方で1時間に80ミリの猛烈な雨が降る見通し。3日午後9時からの24時間の降水量は沖縄本島地方で200ミリに達する見込み。
 これまで最も大きかった台風は59年の宮古島台風(通称「サラ」)の908・1ヘクトパスカルで、最大瞬間風速64・8メートルだった。