いい本と出合って 仲井真に「ブックポスト」開設


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提案した東英児さん(左端)、管理者の田端温代さん(右奥)ら=9月28日、那覇市上間

 誰でも本を借りられる小さな家の形をしたブックポストが、仲井真小学校近くに8月、出現した。返却期限もなければ、借りた本と異なる本を返却しても問題ない。米国で生まれた、市民が気軽に作れる小さな図書館「リトルフリーライブラリー」だ。仲井真への設置を提案した仲井真小学校区まちづくり協議会の東(あづま)英児さん(46)は「読書を通して子どもたちが世界にはいろんな人がいて、自分もその世界の一員だと感じるきっかけになってほしい」と語る。

 「本をきっかけに町に変化を生み出せないか」と考えていた東さんは、5月にネットでこの図書館を知り、同協議会のメンバーらに相談。糸満市の木工製品の製作・販売を手掛ける障害者就労支援事業所ワークサポートひかりの協力で、あっという間に完成した。台風に備えて、取り外し可能な作りになっている。

 入る本は約10冊。仲井真小の児童や親子連れなどが、通りすがりにポストをのぞく。本が少なくなれば、管理する仲井真小学校区まちづくり協議会の田端温代(はるよ)さん(69)が補充する。田端さんは「家の中に本があることは、すてきなこと。本と出合う場になってほしい」と願う。

 ライブラリーには日本語以外の言語の絵本もある。東さんは「沖縄にはいろんな国の人がいる。世界を知るきっかけになったら面白い」と目を輝かせている。
 無料図書館のため同協議会は、本の寄贈を呼び掛けている。本の郵送先は、〒902-0073 那覇市上間563の1階、仲井真小学校区まちづくり協議会。