【ブラジル】「基地問題発信したい」 松本さん、県人大会に参加へ


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松本カリナ沙登美さん

 8月末、松本カリナ沙登美さん(27)がブラジルの若者の中から沖縄県から次世代代表として選定された。松本さんは20日から開催される第5回世界若者ウチナーンチュ大会と、27日から開かれる第6回世界のウチナーンチュ大会の両大会に参加する。今はインターネットで、いろいろつながることができ便利だが「各地のウチナーンチュとじかに会い絆を深めたい」と語る。

 松本さんはブラジルで催された第1回世界若者ウチナーンチュ大会で生まれた絆をさらに深めながら、今後のウチナーネットワークに関する具体的な提案を議論していきたい考えだ。ブラジルからは約13人の若者が参加する予定。

 2015年の3月に沖縄から帰国した松本さんは現在うりずん(県留学生研修生OB会)の会長を務め、カリタスの難民リファレンスセンターでボランティア活動を行い、沖縄の歴史・文化についてポルトガル語で発信する「okinawando」(https://okinawando.wordpress.com/)というブログを運営している。

 沖縄では辺野古や高江の現状を知るために現地を訪問し、インタビューなど資料を集めてブラジルで紹介するつもりだ。

 本大会について「離れた国で暮らしていても、それを乗り越え、心は一つで、それがウチナーンチュを特別なものにしていると思います」と語った。

 13年度の元県費留学生である松本さんは08年、沖縄の文化を学ぶために嘉手納町の研修生として初めて沖縄を訪れ、嘉手納町の約8割も占める米軍嘉手納飛行場や米軍北部訓練場のヘリパッド問題の現状に接した。一般的に知られている沖縄ではなく、それに関する知識を深めたい思いで再び沖縄を訪問。沖縄国際大学に1年留学し、翌年は小禄南小学校でAET(英語指導助手)として勤め2年間、沖縄に滞在した。

 沖縄へ2度も行ける機会を与えられたことが原動力で、うりずんの一員として県人会の活動に協力している。沖縄戦の歴史や基地問題について発信していきたいという。
 (城間セルソ明秀通信員)

サンパウロ市内の飲食店で若者大会の打ち合わせをする松本さん(左端)と若者たち