「土人」発言で鶴保沖縄相が再び持論 野党「大臣の資格問われる」


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鶴保庸介沖縄担当相

 大阪府警機動隊員による「土人」発言問題で、鶴保庸介沖縄担当相は8日、「差別であると断じることは到底できない」と述べ、発言は差別だとの認識を示さなかった。「土人」発言を巡ってはこれまで、金田勝年法相が差別的言動に当たるとの認識を示したほか、菅義偉官房長官らも「不適切な発言」と述べている。鶴保氏は菅氏や金田氏らの見解を度外視し、独自の見解を述べた格好となっている。

 鶴保氏は「土人」発言があった直後の10月21日の会見でも「差別」を認めず「果たして県民感情を損ねているかどうかにしっかり虚心坦懐、見ていかないといけない」と述べていた。

 11月8日の参院内閣委員会での鶴保氏の発言を巡って、与野党からさまざまな反応が上がった。

 菅氏は同日午後の記者会見で差別的発言の定義について「言われた側の感情に主軸を置いて判断すべきことであり、その発言によって言われた側の感情を傷つけたという事実があるならば、しっかり襟を正していかなければならない」と語った。

 一方で「人権問題と捉えるかどうかも含めて、つぶさにそれを注視していく。そのことが重要で、鶴保大臣もそのような趣旨で述べたのではないか」と火消しに回る発言もあった。

 民進党の福山哲郎幹事長代理は報道各社の取材に応じ、鶴保氏の発言について「非常に遺憾であり、許すことはできない」と指摘。「これから沖縄の問題に本当に当たっていく資格がある大臣の発言なのかどうかが本質的に問われている」と非難した。

 鶴保氏の発言について、野党は国会内外で追及する構えで、与野党の新たな火だねとなる可能性も帯びている。
(池田哲平)