「沖縄相の資格なし」 鶴保氏発言 識者ら問題点指摘


この記事を書いた人 金城 美智子
鶴保庸介沖縄担当相

 大阪府警の機動隊員の「土人」発言について、鶴保庸介沖縄北方担当相が「差別発言でない」という認識を撤回しないことに、県内外の識者から「沖縄担当相の資格があるのか」「県民の側に立って抗議すべきだ」などの批判が相次いだ。

 沖縄の近代史に詳しい、女性史研究家の宮城晴美さんは、1901(明治34)年10月の琉球新報に「他府県人の沖縄観」があり、沖縄人が土人と言う言葉で「豆腐は土人の大好物。内地人の口に適せず」などと書かれていることを例に「沖縄の近代史を学んでいる人には差別でしかない」と指摘。「沖縄県民がどうして怒っているのか、なぜ背景を学ぼうとしないのか。学ぶつもりがないのなら沖縄担当相は辞してほしい。県民は鶴保氏に何を期待すればいいだろうか」と厳しく非難した。

 ヘイトスピーチに詳しいジャーナリストの安田浩一さんは「差別に敏感でなくてはならない公務員の発言で、力関係を背景に罵倒、攻撃していることが問題だ」と説明する。その上で「沖縄担当の大臣が、沖縄の受けてきた人権侵害の知識を持たず、容認するかのような発言をするのは許されない。県民の側に立って抗議するべきだ」と批判した。

 沖縄弁護士会の横田達副会長は個人的見解とした上で、「『土人』は放送禁止用語にもなっており、現在は侮蔑的意味を含んでいるのは明らかだ。大臣の認識の低さを表している」と指摘した。