基地問題を身近に 和光大40人、沖国大と交流


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄国際大の学生から米軍ヘリ墜落事件について説明を聞く和光大の学生ら=1日、宜野湾市の沖縄国際大

 和光大学(東京都)で初等教育を学ぶ心理教育学科の学生ら約40人が10月下旬、沖縄戦跡や米軍基地を回った。平和を考える教員になってほしいと、初等教育課程ができた昨年から続けている取り組みだ。11月1日には沖縄国際大でヘリ墜落現場や、エンジン音が響き渡る普天間飛行場を見学し、同じく教員養成課程の講義を取る沖国大の学生と初めての交流会を開いた。

 同大と同じ和光学園の和光小学校、和光鶴川小学校は30年にわたって修学旅行で沖縄を訪れている。和光大は、小学校の行事を体験的に学ぶ「学校インターンシップ」として小学校の修学旅行に同行、最終日は小学生とは分かれ、新基地建設が予定される名護市辺野古や沖国大を訪れた。

 沖国大での交流会では小グループに分かれ、互いの気候風土や教員採用率、盛んなスポーツなど、ざっくばらんに交流した。基地問題については「基地が近くにあって気になる?」などと質問する和光大生に、「そこまでストレスは感じない」「異文化交流などいい面もある」と沖国大生が答える場面もあった。「東京では『政府が進めることを沖縄が邪魔をする』、沖縄では『反対しているのに政府が進めてくる』と報道の姿勢が違う」と指摘する声もあった。

 和光大の菅谷亮太さん(21)=2年=は「基地がこんなに近いと思わなかった。基地問題を『あまり気にならない』と発言した学生がいたが、東京から遠く感じるのと同様、沖縄の中でも距離感があるのかと思った。もっと話したかった」と惜しんだ。

 沖国大の金城克哉さん(23)=科目等履修生=は交流を振り返って「東京では他人事と感じているのだなと思ったが、自分も東京に住んでいたらそうかもしれない」とおもんぱかった。