日本ハンドボールリーグ(JHL)の琉球コラソンは20日、浦添市民体育館でホーム戦を行い34―23で北陸電力に勝利した。現在の成績は6勝1分4敗。順位を一つ上げて4位となり、プレーオフ進出へ勢いづく勝ち星となった。
次戦は26日に、広島県のマエダハウジング東区スポーツセンターで、プレーオフ争いのライバルとなる湧永製薬と戦う。
▽男子
琉球コラソン(6勝1分け4敗)
34―23(14―14,20―9)
北陸電力(11敗)
【評】琉球コラソンは前半、好スタートを切ったものの、中盤に形にはまりすぎたセットプレーでミスを連発し、リーグ全敗の北陸電力に一時、逆転された。前半を同点で折り返すと、後半は各ポジションの選手が積極的にプレーし、攻めるリズムを取り戻した。点差を一気に広げると控えメンバーも出場し、快勝した。(嘉陽拓也)
◇臨機応変な戦術奏功
昨年は主将、今季は選手兼監督の水野裕紀がこの試合のキーマンとなった。
前半は、序盤に全員で仕掛ける攻撃でリードするも、形にはまりすぎたセットプレーを読まれ、格下の北陸電力に逆速攻を許した。連続10失点で逆転されたコラソン。難しい顔をしてベンチから指示を出していた水野がここで登場した。流れを変えるプレーを見せ何度も会場を沸かせた。
前半を何とか同点で終え、迎えた後半、水野を中心に試合にテンポが出る。トヨタ紡織九州戦で効果を発揮した全員で仕掛け続ける攻撃はミスが相次いだため、ポジションを変えながら隙があれば狙うシンプルなスタイルに変更。すると、趙顯章の強気なロングシュートも決まり、石川出の個人技や連基徳のポストプレーもさえた。
水野自身も守備では速攻につなげるパスカット、攻撃では独特のリズムで相手守備のタイミングをずらす個人技を披露。視野の広いロングパスで両サイドにまでシュートチャンスをつないだ。
点差が広がると控えメンバーも次々と出場した。かつて北陸電力に所属していた内田惠介はポストを務めた。古巣相手に緊張で硬くなったが、今季初ゴールを決め、両手でガッツポーズ。「チームに貢献できた」と笑顔を見せた。
臨機応変な攻撃スタイルの重要性を実感したという水野。「コートに立つことで机上の作戦に固執せず、もっと選手が力を出せる戦術の必要性を感じた」と、新たな発見を得た。
プレーオフ進出へ「前半戦で負けた上位チームにも勝つため、一戦一戦により集中していく」と力強く語った。(嘉陽拓也)