【東京】運休中の那覇―粟国路線について、国土交通省が2017年秋にも運航を再開させる方向でスケジュールを立てていることが22日、分かった。15年8月に粟国空港で第一航空機が着陸時に滑走路を外れてフェンスに衝突した事故を受け、同路線は1年以上にわたって運休しており、島民生活に影響が出ていた。再開後も第一航空が運航する。
第一航空や関係者によると、運航再開に必要な手続きとして、同社は10日から操縦士への座学訓練を開始した。17年2月下旬にも飛行訓練を始める。同年8月には機長、副機長の審査などをした上で、秋に再開する手順となっている。
第一航空は「国交省との調整を図っている。島民のために早く再開したい。運航に当たっては万全を期したい」と話した。
事故は15年8月28日、プロペラ機DHC6が着陸時に起こした。乗客ら11人が負傷した。第一航空の法令違反などが明らかになり、国の運輸安全委員会は調査報告書案で「路線就航を優先して訓練をおろそかにし、副操縦士が機体を制御できず、機長も対処できなかった」と指摘している。
報告書案では座学を所定の48時間ではなく、16時間で終えて副機長の資格を与えるなど、適切な訓練が実施されなかったとしており、同委員会は今年3月、第一航空に安全管理体制の再構築などを指示した事業改善命令を出した。